魚の特性

■魚の生活階層を知ろう

 熱帯魚は種類によって生活階層が違います。

 右図のように水槽内を3階層(上層・・・水面付近、下層・・・底床付近、中層・・・上層・下層以外〔ほとんどの魚は中層に分類される〕)に分けてみると、ダニオ類・ハチェット類などは上層での行動が多く、ナマズ類・ローチ(ドジョウ)類などは下層を基本に行動します。

 ハチェット類などのみの水槽ですと、中層・下層が全く寂しい水槽になってしまい、反対にナマズ類などのみの飼育は上層・中層が寂しくなります。

 コリドラス・ハチェットの愛好家の方や、水草レイアウト中心でアクセントに魚を数匹入れる方等はその環境が最良の環境となりますが、初心者などの方は、なるべくなら各階層ごとの魚を混泳したほうが、熱帯魚の魅力を味わえます。

混泳時の注意事項

■基本的な注意点

 ・好む水質、水温の魚を選ぶ。魚によっては低水温を好む魚(水草)や高水温を好む魚が居たり、弱酸性の水質を好む魚や弱アルカリ性を好む魚が居ますので、飼育予定の種類の飼育環境の同じ種類を選びます。(多少は環境適応能力がありますので、ショップに相談すると失敗がありません。)

 ・同サイズの魚を選ぶ。大きくサイズが違うと草食性の魚でも小型魚を口の中に入れてしまったりしますので、多少のサイズ違い程度の魚を選びます。(ショップによって稚魚などを販売している場合があるので、成魚のサイズを調べておきます。)

 ・攻撃性の強い魚、肉食性の魚との混泳は避け単独飼育とします。(雑誌などで肉食性・大型魚の混泳が掲載されている場合があり、大変魅力的ですが、混泳を成功させるためにはそれなりの設備を整えていると言う事を忘れないでください。)

 ・なわばり意識の強い魚同士の混泳は強い魚が弱い魚を攻撃し、ヒレなどをかじったり、最悪死んでしまう場合があります。

 ・泳ぐ早さなど組み合わせが上手くいかないとストレスが溜まって調子が悪くなったり、最悪死んでしまうので注意します。

■各魚別混泳ポイント

●カラシンの仲間 

 ・カラシンといっても多くの種類がおり性質もさまざまで、小型魚は協調性を持ち合わせているものが多く混泳可能だが、大型魚は肉食性の高いものが多いので注意。

混泳可能種類
 ネオンテトラ、 プリステラ、 レモン・テトラ、 ペンギン・テトラ、 ペンシルフィッシュ、 ハチェット、 ブラック・ファントム

混泳不可種類
 ピラニア・ナッテリー、 ドラド 

●コイ・ドジョウの仲間

 ・協調性に優れた種類が多い。

混泳可能種類
 パール・ダニオ、 アルジイーター、 チェリー・バルブ、 ラスボラ類

混泳不可種類
 スマトラ(動きの遅い魚・ヒレの長い魚との混泳)

●メダカの仲間

 ・グッピーやプラティ類は混泳に向いているが、少々大きくなるセイルフィンモーリーなどは多少小型魚をつつく可能性がある。

混泳可能種類
 グッピー類、 プラティ類、 ソードテール類、 アフリカ・ランプアイ

混泳不可種類
 セイルフィン・モーリー(小型魚との混泳は控えたい、同サイズなら問題ない)

●シクリッドの仲間

 ・同じ分布地域に生息する種類同士ならば混泳可能であり、分布違いであっても隠れ家を多く設ければ可能な場合がある。

混泳可能種類
 アピストグラマや小型エキデンスは小型魚との混泳可能。 エンゼル・フィッシュ パピリオクロミス・ラミレジィ

混泳不可種類
 中型魚は隠れ家を多く設ける事により混泳可能。

●アナバスの仲間

 ・基本的には混泳可能だが、サイズも多少あるので稚魚などは注意が必要です。また、ベタなど同種間の雄が争うので注意。

混泳可能種類
 ドワーフ・グーラミィ、 マーブル・グーラミィ、 チョコレート・グーラミィ

混泳不可種類
 キッシング・グーラミィ、 ベタ(小型水槽の場合は雄雌間での争いもある)、 大型になる魚

●ナマズの仲間

 ・コリドラスや小型のプレコは混泳可能ですが、中・大型のナマズは肉食性が強く、混泳には不向き。

混泳可能種類
 オトシンクルス、 インペリアル・ゼブラプレコ、 コリドラス類 

●上記以外の仲間

 ・レインボー・フィッシュの仲間はほとんどの種類の性質が温和でサイズの違いな無ければ混泳可能です。また、大型魚・古代魚などは、同サイズで大型水槽が用意できるのであれば多少の争いはあるが混泳可能です。 

魚の状態の良・悪見分けポイント

 ・元気に泳いでいるか、同水槽内の他の魚と違う動きをしていないか。

 ・目が白く濁っていないか、水面で呼吸をしていないか。、ヒレなどが切れたり溶けたりしていないか。

 ・体表などに傷・ウロコが欠けていたり立ってはないか、体形が曲がったり変形していないか。

 ・ショップに入荷後1週間以上経過しているか。

運搬の仕方

 ショップでは24時間位はもつように酸素詰めしてパッキングしてくれますが、輸送時間が多くなれば魚へ与えるストレスは大きくなりますので、他の買い物などがある場合は、熱帯魚の購入は最終的に行ったほうがいいです。

 車での運搬は、座席又はひざの上に置き、直射日光・エアコンなどが直接当たらないようにしす。発砲スチールを用意できるのであれば、その中に入れて運搬すると振動がより伝わりにくくストレスを軽減できます。また、冬場は温度の低下が激しいので毛布などで包むとより温度変化を防げます。

 電車での運搬は、リュックサックなどの入れ物を用意し購入した魚を中に入れ、車同様座席・ひざの上に置き運びます。

 事情により運搬時間がかかってしまう場合は、簡易式のエアーポンプなどがありますので使用します。

魚の移し方

 1.購入してきた魚の保温材(新聞紙など)をとり、パッキングしたまま30分位水槽に浮かべ温度合わせを行います。

 2.袋の水の総量の3分の1の量の飼育水槽水を袋の中に入れ、20分位置き水質合わせを行います。

 3.上記2の作業を2回~3回行います。(1回でも問題ない場合が多いですが、時間に余裕がある場合は、数回水質合わせを行ったほうが確実です。)

 4.水槽内に水と一緒に離します。(初めて購入したショップなどの場合や、1度でも病気の魚を飼ってしまったショップなどの場合は、魚のみをネットなどで水槽内に移すと病気などの混入を防げます。ただし、ネットで移す場合は水質合わせの回数を多めにしておきます。トリートメントタンクの場合は水と一緒に離しても問題ありません。)

 5.30分位魚の動きをチェックし、異常がなければ移し方は終了です。(大抵の場合1週間で、何らかの症状が出る場合が多いので、チェックを十分行ってください。)

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