熱帯魚、水草を飼育して行くと、病気やコケなど多くの悩みに直面します。
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水質(水)はアクアリウムを楽しむ上で、無くてはならないものです。
アクアリウムでの水質はペーハー(PH)・炭酸塩硬度(KH)・亜硝酸濃度(NO2)・硝酸濃度(NO3)・総(全)硬度(GH)の数値により管理します。
この5つのバランスなどが崩れると魚の調子が悪くなったり、水草が枯れたりします。原因として、魚の排泄物・残餌・水草の枯葉・エアーレーションによる溶存二酸化濃度の低下などさまざまあります。
水質を維持する上で定期的な換水・バクテリアの繁殖が重要です。
PH(ペーハー)とは水中に溶けている水素イオンと水酸イオンとのバランスで決定します。PHは7.0を中性とし、それより数値が高いとアルカリ性、数値が低いと酸性となります。
ほとんどの魚が弱酸性(PH6.0~7.0程度)の水質を好みますが、種類によってはアルカリ性を好みますので、飼育時には注意してください。
日本の水道水は地域によって多少の違いはありますが、飼育に適しているPHとなっています。井戸水・湧き水を使用している方や、地域によっての違いに不安のある方は、PHチェックを行うことをお勧めしまず。(一度チェックを行っておくと、後々の水質管理が簡単になります。)
水質表 | |
PH | 水質 |
~ 3.0 | 酸性 |
3.0 ~ 6.0 | 弱酸性 |
6.0 ~ 8.0 | 中性 |
8.0 ~ 11.0 | 弱アルカリ性 |
11.0 ~ | アルカリ性 |
PHにはCO2溶存量と炭酸塩硬度(KH)が非常に関係してきます。
下記表は、相関図です。
KH(゜dh) | ||||||||||||||||
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | ||
CO2 (mg/l) |
1 | 7.5 | 7.8 | 8.0 | 8.1 | 8.2 | 8.2 | 8.3 | 8.4 | 8.4 | 8.5 | 8.5 | 8.5 | 8.6 | 8.6 | 8.6 |
2 | 7.2 | 7.5 | 7.7 | 7.8 | 7.9 | 8.0 | 8.0 | 8.1 | 8.1 | 8.1 | 8.2 | 8.2 | 8.3 | 8.3 | 8.3 | |
3 | 7.0 | 7.3 | 7.5 | 7.6 | 7.7 | 7.8 | 7.8 | 7.9 | 7.9 | 8.0 | 8.0 | 8.1 | 8.1 | 8.2 | 8.2 | |
4 | 6.9 | 7.2 | 7.4 | 7.5 | 7.6 | 7.7 | 7.7 | 7.7 | 7.8 | 7.9 | 7.9 | 8.0 | 8.0 | 8.0 | 8.0 | |
5 | 6.8 | 7.1 | 7.3 | 7.4 | 7.5 | 7.6 | 7.6 | 7.6 | 7.7 | 7.8 | 7.8 | 7.8 | 7.9 | 7.9 | 7.9 | |
10 | 6.5 | 6.8 | 7.0 | 7.1 | 7.2 | 7.3 | 7.5 | 7.4 | 7.4 | 7.5 | 7.5 | 7.5 | 7.6 | 7.6 | 7.6 | |
15 | 6.4 | 6.6 | 6.8 | 6.9 | 7.0 | 7.1 | 7.1 | 7.2 | 7.2 | 7.3 | 7.3 | 7.3 | 7.4 | 7.4 | 7.5 | |
20 | 6.2 | 6.5 | 6.7 | 6.8 | 6.9 | 7.0 | 7.0 | 7.1 | 7.1 | 7.2 | 7.2 | 7.2 | 7.3 | 7.3 | 7.3 | |
50 | 5.8 | 6.1 | 6.3 | 6.4 | 6.5 | 6.6 | 6.6 | 6.7 | 6.7 | 6.8 | 6.8 | 6.8 | 6.9 | 6.9 | 6.9 | |
100 | 5.5 | 5.8 | 6.0 | 6.1 | 6.2 | 6.3 | 6.3 | 6.4 | 6.4 | 6.5 | 6.5 | 6.5 | 6.6 | 6.6 | 6.6 |
PHの変化要因
アルカリ性に傾く原因
・サンゴ・貝を使用している
・エアーレーションをおこなっている
・飼育水又はろ材が汚れている
酸性に傾く原因
・二酸化炭素(CO2)を添加している
上記のようにPHが崩れた場合は早期に原因の改善を行います。
市販のPHコントロール材もありますが、一時的にPHを調整することは出来ても、原因が根本的に改善されるわけではないので、数日で元の状態になってしまいます。
また、飼育水は古くなると酸性に傾きますので、定期的な水換えが必要です。
PHが急激に変化するとPHショックという症状があり、ひどい場合死に至る場合があります。
炭酸塩硬度とは水中の炭酸水素イオンにより決定します。
PHと非常に密接に関係しており、炭酸塩硬度が高いとアルカリ性、低いと酸性に傾きます。
このKHはPHの変化を緩和する働きがあり、KH値が異常だと老廃物や残餌によりPHが急降下するなどの水質急変の恐れがあります。
水道水の炭酸塩硬度は2~8゜dhで、PHの急激な変化は防げます。
ただし、バクテリアの働きにより炭酸水素イオンは減少し、KH値は下がっていきます。
つまり、水質は古くなると酸性に傾きます。(相関図参照、例:CO2が1mg/lの場合、KH10゜dhの時PHは8.5になりますが、KH1゜dhの時のPHは7.5と酸性に傾きます。)
魚の排泄物・残餌などから発生したアンモニアを、バクテリアニトロソナモスが分解することにより亜硝酸になります。
また、分解された亜硝酸がバクテリアニトロバクターにより硝酸塩に分解されます。
アンモニアは非常に有害であり、亜硝酸も有害な物質です。
硝酸塩は比較的無害ですが、長期的に換水などを行わず硝酸塩が一定の濃度を超え増加すると、炭酸塩濃度(KH)は低下します。
二酸化炭素(CO2)が一定の場合、炭酸塩濃度(KH)が低下するとPHも低下します。炭酸塩濃度(KH)とPHは比例関係にあります。つまり、硝酸塩濃度(NO3)が上昇するとPHが低下することになります。
硝酸塩は一定の濃度を超えると有害となると言われるのは、PH低下を起してしまうためです。
硬度とは水中に溶け込んでいるカルシウムやマグネシウムの濃度の総量で決定します。
カルシウム・マグネシウムの含有量が多い水を硬水といい、少ない水を軟水といいます。
単位はドイツ硬度dh、アメリカ硬度ppmが使われます。換算濃度1mg/L(ppm)は約0.056dHです。
現在はppmを使用し、ppmとは1,000,000分の1という単位です。つまり、100リットルの水に1gの薬を溶かせば10ppmとなり、ドイツ硬度では0.56dHとなります。
軟水 | 0~100mg/L未満 |
中硬水 | 100~300mg/L未満 |
硬水 | 300mg/L以上 |
日本の水道水は軟水であり、ほとんどの熱帯魚が問題なく飼育できますが、井戸水・湧き水を使用している場合などには一度硬度のチェックをしておくことをお勧めします。(硬水を好む魚もいますので飼育前に調べておきます。)
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